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カテゴリー別アーカイブ: 日記

一颯のよもやま話~第12回~

皆さんこんにちは!

一颯合同会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~現場別“ベスト足場”の使い分け~

足場の正しい使い分けは、安全と生産性の両立に直結します。ここでは主要な足場の得意分野設計・施工ディテール段取りのコツをまとめました。


1|クサビ式足場(ビケ)

得意:戸建〜中低層、改修、回り込みの多い外装
ポイント

  • 建枠不要で凹凸対応に強い/小運搬◎

  • 先行手すり標準化/踏板はダブルで荷重余裕

  • 筋交い壁つなぎを“面”で配置(コーナー強化)
    段取りのコツ拾い出し表を作り、荷台を「立柱→踏板→手すり→小物」の順に積むと全行程が早い⏱️


2|枠組足場

得意:中高層の外装・大面積
ポイント

  • 面剛性が高く、外装仕上げの作業性が良い

  • 枠の通り・直角・レベルを初段で作るのが命

  • ジャッキベース+敷板で沈下を抑制、縦筋交いは早期に
    段取りのコツ揚重計画(クレーン/ホイスト)を先に決め、柱スパンごとにユニット化して上げる


3|単管足場(鋼管・クランプ)️

得意:局所足場・設備廻り・複雑形状・補修
ポイント

  • 自由度が高いが設計の“考え抜き”が必要

  • クランプ増し締め・マーキングで点検を容易に

  • 吊りパイプ/ブラケットで逃げを作る
    段取りのコツ短尺単管自在クランプを多めに。現場での“最後の一手”を用意


4|吊り足場・舞台足場

得意:下部障害(河川・水路・吹抜・ステージ)
ポイント

  • 吊りチェーン・ワイヤの点検・荷重計算は入念に

  • 定期的な昇降路の安全確認落下物養生
    段取りのコツ仮受け→本吊り→荷重確認の“3段階承認”でトラブル回避


5|移動式足場(ローリング)

得意:内装・天井・倉庫・工場内の短時間作業
ポイント

  • 水平ブレーキ・アウトリガー・キャスター点検

  • 開口部・段差での移動禁止/二人以上で運用
    段取りのコツ:部材はモジュール化し、作業別に色分けで迷いゼロ


6|“共通ディテール”の黄金ルール ✨

  • ジャッキベース:面で支持。ゴムシート+敷板で滑り/沈下を抑止

  • 先行手すり+幅木:常にセットで(材料ピック時も)

  • 昇降:梯子角度・固定・開口養生/階段ユニットは高所作業の疲労軽減に効果大

  • 壁つなぎ:打設可否を元請・施主承認の上で計画。孔補修は仕上げ仕様に合わせる

  • 養生:メッシュは風抜き区画を忘れず、養生ネットは端末処理を丁寧に


7|近隣対応・広報の型 ‍‍

  • 事前案内文(工期・作業時間・騒音・資材搬入)を配布

  • 学校・病院近接は時間帯配慮誘導員

  • 歩行ルート落下物防護見通し確保、夜間は誘導灯


8|台風・強風前日のToDo ️

  • メッシュ畳み/開放計画の実行

  • 緊結部総増し締め・壁つなぎ再確認

  • 仮置きゼロ/鋭利物の撤去/周辺の飛散物整理

  • 朝礼で運用ルール再周知(中止判断者・連絡網)


9|“あるある不具合”早見表

症状 主因 すぐやること
足元沈下 敷板不足・排水不良 敷板追加・排水溝を切る
揺れ感 壁つなぎ不足・筋交い配置不良 追加設置・配置見直し
シート鳴き 端末緩み・風抜き不足 端末締め・間引きで風抜き
昇降混雑 動線計画不足 階段増設・一方通行化
近隣苦情 騒音/眩光/歩道占用 時間帯調整・防音/遮光・保安計画変更

 

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一颯のよもやま話~第11回~

皆さんこんにちは!

一颯合同会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~安全・品質・工期~

足場は安全装置×生産性装置。計画の質がそのまま事故ゼロ・やり直しゼロ・遅延ゼロに効きます。本稿は、明日から現場で使える調査→設計→物流→組立→点検→運用→解体の実務を、チェックリストつきでまとめました。


1|現地調査:勝負はここで8割決まる

  • 敷地条件:進入路幅・電線高・路肩強度・クレーン設置可否

  • 地盤/支持:ジャッキベース位置の沈下リスク・排水状況・段差有無

  • 建物/障害物:ひさし・配管・樋・看板・庇・バルコニー・開口部

  • 周辺環境:歩道・学校・病院・商店・近隣車両動線(時間帯注意)‍‍

  • 風環境:風の抜け・周辺高層建物の乱流・台風時の想定

  • 写真&寸法:遠・中・近の3アングル+簡易スケッチ

現地調査は**“搬入経路動画”**まで撮ると、当日の荷捌きが一気にラクに


2|設計:使う人の作業内容から“逆算” ✏️

  • 足場種別の選定:クサビ式/枠組/単管/一側/吊り/移動式

  • 作業面の設計:幅員・段差・先行手すり・幅木・開口養生・昇降設備(梯子/階段)

  • 壁つなぎ:ピッチ・位置・打設可能部材を事前承認

  • 荷重:積載荷重を“最も重い作業”で設計(材料仮置き禁止帯の明示)

  • 保護装備:先行手すり方式・墜落制止用器具の接続位置・親綱計画

  • 養生:メッシュシート・防音/防塵・落下物養生(朝顔 等)


3|物流・荷姿の最適化

  • 積み付け:現場別ゾーニング積み(面材・手すり・筋交い・ジャッキを“拾い順”で)

  • 車両計画:時間帯別搬入・一時停車位置・誘導員配置

  • 仮置き:上家・ブルーシート・パレットで雨天でも段取り換え可能

  • 揚重:玉掛け具の点検・吊り位置・合図統一(手/ブザー/無線)


4|組立:KYT(危険予知)を“型”にする

朝礼テンプレ(3分)

  1. 本日の作業区画・順路・立入禁止帯

  2. 主要リスク(墜落・落下・挟まれ・感電)→対策(先行手すり・幅木・二丁掛け・停止合図)

  3. 強風/降雨の中止ラインと判断者

  4. 緊急連絡・搬送ルート・救急箱位置

組立の勘どころ

  • ジャッキベースの水平・当たり→根太板+敷板で沈下対策

  • クランプは増し締めマーキング、締付トルクの“ばらつき”をなくす

  • 昇降は先に確保(後追いで梯子を付けに行かない)

  • 開口部・通路は落下養生→標識→代替動線の順に


5|日常点検:朝・昼・終業の“三回転”

  • :水平/直角・壁つなぎ・手すり/幅木・昇降・緊結部・シート

  • :風向/風速の変化・養生のばたつき・仮置きの増加有無

  • 終業:工具/資材の残置ゼロ・シート巻き・出入口養生・照明/仮設電源の安全

点検は写真+チェックリストで残し、是正は当日完了が鉄則。


6|天候・季節の運用 ️

  • 強風:メッシュの部分開放/畳み、吊り足場は特に慎重に。自社の停止・退避基準を掲示。

  • 降雨:床板の滑り対策/通路の養生マット/排水の逃げを確保

  • 猛暑/寒冷:熱中症対策(WBGT計・給水・ミスト)/凍結時の滑り止め


7|解体:落下“ゼロ”で終える

  • 搬出動線を組立と逆順で確保、上から下へ外から内へ

  • ボルト・クランプはその場で回収箱へ(落下物ゼロ)

  • 壁つなぎ孔・アンカー孔は補修→写真記録まで完了


8|よくあるNG → 是正例 ‍♂️→‍♂️

  • ベース不陸 → 敷板追加+レベル調整/沈下監視

  • 壁つなぎ不足 → 設計再確認→追加施工→是正記録

  • 足場板の隙間・段差 → 端部金具・ジョイントで平滑化

  • 仮置き過多 → 仮置き禁止帯をライン・札で“見える化”

  • メッシュ鳴き・ばたつき → 端末増し締め+風抜き区画の見直し


9|KPIダッシュボード(週次)

  • 日次点検実施率是正完了率

  • 立入禁止帯遵守率/ヒヤリハット件数

  • 強風時の運用記録の有無/近隣苦情ゼロ

  • 搬入回転(車両/日)・組立/解体タクトのばらつき

 

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一颯のよもやま話~第10回~

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一颯合同会社、更新担当の中西です。

鳶職のキャリアステップとは?~一人前になるまでの道のり~

こんにちは!鳶職雑学講座・第10回は、鳶職として働く中でどのようにキャリアアップしていくのか、その道のりについてご紹介します。

「未経験からでも始められる」と言われる鳶職ですが、そこからどのように一人前の職人へ、そしてリーダーへと成長していくのか、段階を追って見ていきましょう。


◆ ステップ1:見習い・助手からスタート

鳶職の世界では、最初は「見習い」としてスタートするのが一般的です。

【主な仕事】

  • 資材の運搬

  • 工具の準備

  • 先輩の作業補助

  • 現場清掃 など

最初は何もわからなくて当たり前。
「どの資材がどこに使われるのか」「道具の名前や使い方」「現場でのルール」など、ひとつずつ覚えていくことが大切です。

現場では、先輩の動きを見ながら「どう動けばスムーズか」「危険をどう避けているのか」を学びます。焦らず、じっくり体で覚える時期ですね。


◆ ステップ2:職人として独り立ち

経験を2〜3年積むと、少しずつ一人で任される作業も増えてきます。
この段階でようやく、「職人」としての第一歩を踏み出すことになります。

【任されるようになる仕事】

  • 足場の組立・解体

  • 鉄骨の建方

  • 高所作業での安全な移動

  • 図面の理解と応用

  • 資材や工具の管理 など

この時期には、「とび技能士(国家資格)」の取得を目指す方も多くなります。
資格を持つことで、技術力の証明にもなり、仕事の幅も広がります。

また、責任感を持って現場に向き合うようになり、「後輩の指導」や「段取り調整」などにも関わるようになります。


◆ ステップ3:職長・リーダーとして現場をまとめる

さらに経験を重ねると、**「職長(作業リーダー)」や「現場代理人」**として、チーム全体をまとめる立場になります。

【求められるスキル】

  • 作業全体の工程管理

  • 安全確認とリスク管理

  • 作業員の配置と指導

  • 他業種との打ち合わせや連携

  • 若手育成とチームビルディング

現場の“司令塔”とも言えるポジションで、プレイヤーからマネージャーへと役割が変化します。
責任は大きくなりますが、その分やりがいと達成感もひとしおです。

現場がスムーズに進行し、無事に工事が終わったときには、「自分がこのチームを支えた」という自信にもつながります。


◆ キャリアの先には?

職長や現場リーダーを経験したあとは、自分で独立して会社を立ち上げる方もいます。
または、ベテラン職人として、現場での“最後の砦”として若手を支える道を選ぶ方も。

鳶職は、学歴や経歴に関係なく、「現場での努力と経験」がすべて評価される世界です。
自分次第でキャリアの幅を大きく広げていけるのが、この仕事の魅力のひとつと言えるでしょう。


◆ まとめ

鳶職のキャリアステップは…

  1. 見習いとして現場に慣れ

  2. 職人として技術を磨き

  3. 職長・リーダーとして人と現場をまとめる

そしてその先には、独立や指導者としての道も広がっています。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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一颯のよもやま話~第9回~

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一颯合同会社、更新担当の中西です。

鳶職のやりがいとは?~誇りを持って働くということ~

第9回では、「鳶職のやりがい」について深掘りしていきます。
日々の現場で職人たちが感じている“誇り”とは? その魅力を一緒に見ていきましょう。


◆ 目に見える成果が形に残る仕事

鳶職の魅力のひとつは、自分たちの仕事が**「形として残る」**ことです。

たとえば…

  • 高層ビル

  • 大型橋梁

  • 工場やスタジアム

これらの建設の初期段階に携わる鳶職人の手仕事がなければ、建物は完成しません。
完成後には姿を消してしまう足場や鉄骨も、その“土台”があるからこそ建築が進むのです。

「自分が関わった建物が、何十年も誰かの暮らしを支えている」
この実感こそが、鳶職人にとって大きなやりがいなのです。


◆ 危険を乗り越えるチームワークの強さ

高所作業や重量物の取り扱いなど、鳶職の現場は常に危険と隣り合わせ。
だからこそ、仲間との連携と信頼関係が何より重要です。

  • 声を掛け合う

  • 手信号で意思疎通

  • 息の合った動きで支え合う

こうした日々の中で築かれる絆は、命を預け合う関係そのもの。
「お前がいるから安心して作業できる」――そんな一言が、信頼の深さを物語ります。


◆ 未経験から一人前へ。成長を実感できる日々

鳶職は、未経験からでも挑戦できる仕事です。

最初は…

  • 資材の名前もわからない

  • 道具の使い方に戸惑う

そんな状態でも、毎日の積み重ねで現場に慣れ、やがて…

  • 足場を一人で組めるようになる

  • 仲間から頼られる存在になる

  • 現場の責任者として動けるようになる

この「できることが増えていく喜び」こそが、鳶職の成長の証です。

また、「とび技能士」や「足場の組立作業主任者」などの資格取得を目指すことで、キャリアアップも実現できます。


◆ 「誰かの役に立っている」という実感

鳶職は、建物の完成だけでなく、工事中の安全を支える重要な役割も担っています。

  • 「安全な足場があるから安心して作業できる」

  • 「鳶さんの段取りがいいから、工程がスムーズに進む」

こうした声を他業種の職人さんからもらえるのは、鳶職の誇りそのもの。
現場全体を支える“縁の下の力持ち”として、多くの人の役に立っていることを実感できます。


◆ 最後に

鳶職という仕事は、決して派手ではありません。
でもそこには、日々の積み重ねが形となって残る充実感があります。

  • 達成感

  • 仲間との信頼関係

  • 目に見える成長

「自分の仕事が、まちの一部になる」
そんな実感を持ちながら働けるのが、鳶職の最大の魅力です。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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一颯のよもやま話~第8回~

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鳶職の“鉄則”とは?〜安全・技術・信頼を守るために〜

前回は鳶職の歴史についてお届けしましたが、今回は現場で働く鳶職人たちが日々意識している“鉄則”についてお話します。

鳶の世界は見た目の派手さや勇ましさだけで語れるものではありません。

そこには、一人ひとりが守り抜いてきた「現場の掟」とも言える“鉄則”が存在します。


■ 鉄則①:「安全第一」は不変の原則

 

鳶職の現場は常に高所。命に関わる仕事であるからこそ、最優先されるのは「安全管理」です。

● フルハーネスの装着は必須

近年では、厚生労働省の法改正により、2m以上の高所作業には「フルハーネス型墜落制止用器具」が原則義務化されました。ベルトだけの簡易装備ではなく、全身を守る装備が求められています。

● 危険予知活動(KY活動)

朝礼や作業前に「今日の危険」を言葉にして共有するKY活動も重要です。「声を出す」ことで、現場全体の意識も高まり、ヒューマンエラーの防止に繋がります。


■ 鉄則②:段取り八分、仕事二分

 

鳶職の現場では、「段取り」が仕事の成否を大きく左右します。

材料の位置、吊り荷の順番、作業手順、安全導線…。これらを緻密に想定してこそ、現場はスムーズに動きます。

● 経験者は「先読み」の達人

ベテラン鳶職人は、1日の作業を頭の中でシミュレーションし、先回りして準備を行います。この「段取り力」こそが、職人の力量を示すバロメーターです。


■ 鉄則③:チームワークなくして安全なし

 

鳶の仕事は、単独では完結しません。

資材を受け渡す、合図を送る、互いに命綱を確認し合う――すべてが「仲間との信頼」によって成り立っています。

● 声かけ・アイコンタクトの徹底

高所では会話も制限されるため、手の合図や目線、短い掛け声で状況を伝える訓練も欠かせません。


■ 鉄則④:道具を大切にする

 

鳶職人にとって道具は“身体の一部”。その扱い方ひとつに、人柄や仕事への姿勢が現れます。

  • 落とさないように安全帯に道具を括る

  • 毎日使う道具を自分で手入れする

  • 現場が終わったら必ず点検する

こうした“当たり前”の積み重ねが、大事故を防ぎ、信頼を築きます。


■ 鉄則⑤:常に「美しい仕事」を目指す

 

鳶職の誇りは、「仕上がり」にも宿ります。

  • ピシッと揃った足場板

  • ムダのない溶接や結束

  • きれいに巻かれたロープ

これらは「誰かが見てなくてもやる」美学の証。その精神が、次の仕事を呼び、信頼を生むのです。


■ おわりに:鳶職の“鉄則”は、生き方でもある

 

鳶の世界における“鉄則”は、ただのルールではありません。それは、命を守る智慧であり、職人としての信念であり、生き方そのもの。

時代が変わっても、この“誇りの仕事”には変わらぬ重みがあります。そして、その誇りは、今日も現場の空の下で静かに息づいています。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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一颯のよもやま話~第7回~

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鳶職の歴史をたどる〜空を翔ける誇りと伝統の軌跡〜

 

 

 

今回は建設現場の花形ともいわれる「鳶職(とびしょく)」の歴史について、時代を追いながら詳しくご紹介します。

日本の建築史と共に歩んできた鳶職。その長い歴史のなかには、職人たちの誇りと進化の物語が詰まっています。


■ 鳶職のルーツは江戸時代にあり!

 

鳶職という仕事が“職業”として確立されたのは、江戸時代中期ごろ。

江戸の大都市化に伴い、建物の建設・修復に多くの人手が必要となりました。火事が多かった時代、町火消しの一部として鳶職人が活躍し、「火事と喧嘩は江戸の華」といわれるほど、その存在感は抜群でした。

● 鳶=火消し? その理由とは?

当時、鳶職人は建築の高所作業だけでなく、町火消しとしての役割も果たしていました。理由は簡単、高所作業に慣れていたから。はしごや屋根の上を素早く動けるため、火事場では消火活動の先頭に立ったのです。

このため、法被(はっぴ)を着て纏(まとい)を持った鳶の姿は、江戸の象徴ともいえるほどでした。


■ 明治・大正・昭和:近代建築と共に進化

 

明治時代以降、レンガ造や鉄骨構造など、西洋建築の影響が強くなり、鳶職の仕事も変化していきます。

● 高層化とともに求められた新技術

鉄骨を組む「鉄骨鳶」、型枠を組む「型枠鳶」、足場を組む「足場鳶」など、細分化された専門職種が生まれたのもこの頃です。

現代では「とび工」「鳶工」と表記され、建設業の中でも「高所での組立・解体」を専門とする職人として定義されています。


■ 戦後復興期〜高度成長期:建設ラッシュと鳶の黄金時代

 

戦後の焼け野原からの復興期、そして東京オリンピックや大阪万博にかけての高度経済成長期には、鳶職人の需要が爆発的に増加しました。

この時期、多くの若者が“腕一本で食べていける”職業として鳶職に憧れ、職人の数も一気に増加。鳶の世界には「口ではなく、背中で語る」文化が根付き、「一人前になるには10年かかる」とも言われました。


■ 現代の鳶職:技術と安全の融合へ

 

現在では、鳶職の仕事は「高所での施工を行う専門職」として、非常に厳格な安全基準と教育が求められます。

  • 高所作業車の操作資格

  • フルハーネス型安全帯の使用義務

  • 安全衛生教育の徹底

 

昔ながらの「度胸と経験」だけでなく、「知識とチームワーク」「ルールを守る力」が重視される時代へとシフトしています。


■ 鳶の文化と誇り

 

今も昔も、鳶職人の間には独自の文化や伝統が息づいています。

  • 独特の作業着(ニッカポッカや地下足袋)

  • 木遣り(きやり)や纏(まとい)といった伝統行事

  • 「鳶口」「腰道具」といった道具へのこだわり

 

これらは単なる仕事道具ではなく、「誇り」「伝承」「信念」を象徴する存在。現代においても、職人の魂は途切れることなく、確かに受け継がれているのです。


■ おわりに:空に一番近い職人たち

 

高所に命を預けながら、人々の暮らしを支える鳶職人。その姿は、今も変わらず「現場の華」であり続けています。

この歴史の重みと誇りを胸に、次世代の鳶職人たちが新しい空を切り拓いていく——それが、この仕事の真の魅力なのかもしれません。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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一颯のよもやま話~第6回~

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第6回 鳶職雑学講座

テクノロジーと職人技が融合する!鳶職の未来とは?


今回は「鳶職の未来」について一般的な市場での動向を基にお届けします。


伝統技術の継承と並行して、最新のテクノロジーとの融合が進む鳶職の世界。未来の建設現場は、今とは全く異なる“スマートな現場”になるかもしれません。

それでは、鳶職がこれからどのように進化していくのか、3つのキーワードで見ていきましょう!


1. ドローンが変える高所作業の概念

 

● 安全+効率=空からの点検

これまで足場を組み、実際に登って点検していた箇所も、今ではドローンによる上空点検が主流になりつつあります。

  • 高層ビルや橋梁の点検で人の危険を回避

  • 天候や照明状況に関係なく正確な映像が取得可能

  • 構造のひび割れ・サビ・変形をデータとして記録

これにより、**“足場を組まない選択肢”**が生まれ、鳶職の業務は点検技術者としての側面も強まっています。


2. AIとIoTが作業現場を管理する時代へ

 

● 足場設計をAIがサポート

AIが建築図面を読み取り、最適な足場計画を自動で提案。人間の勘と経験に頼っていた設計が、短時間で高精度なプランニングへと進化します。

  • 無駄な部材を減らし、資材コストを削減

  • 施工時間の短縮と品質の均一化を実現

● 現場のIoT化

資材の位置・作業員の動線・温度・湿度・振動まで、すべてをリアルタイムで“見える化”。事故の未然防止と作業効率の向上を同時に実現しています。

  • 作業員のヘルメットにセンサーを装着し、転倒や熱中症の兆候を検知

  • 資材の使用状況を記録し、在庫管理と発注タイミングの最適化


3. 3Dプリンターとの連携で変わる施工

 

● 建設部材の即時出力

3Dプリンターを使えば、複雑な形状の部材や型枠を即時に出力できます。これにより、これまでの加工工程が省略され、鳶職の**“現場対応力”がさらに高まる**ことになります。

  • 曲線的な構造の作成も可能に

  • 必要な部材を“その場で製造”し、資材輸送を削減

● 環境へのやさしさも実現

無駄な切削や加工を減らすことで、廃棄物の削減とエネルギー効率の向上にもつながり、「地球にやさしい建設」が可能になります。


👷‍♂️未来の鳶職は、“技術と人の融合型プロフェッショナル”

 

どれだけ技術が進化しても、現場での判断力・安全確認・チームワークなど、人の感覚に頼る部分は絶対に残ります。

未来の鳶職は、
▶ テクノロジーに強く、
▶ 環境にやさしく、
▶ 仲間に信頼される、
そんな新しい時代の職人像が求められるでしょう。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

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一颯のよもやま話~第5回~

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第5回 鳶職雑学講座

環境に優しい鳶職の仕事とは?現場で進むエコとサステナビリティ


今回は「鳶職の現場における環境配慮」についてお届けします。


建設業界全体が“持続可能な社会の実現”を掲げる中で、鳶職もまた例外ではありません。高所作業や足場仮設といった、現場の安全と効率を支える鳶職の仕事は、今では**「人にも地球にもやさしい仕事」**へと進化しつつあるのです。

本日は、実際に現場で取り組まれているエコ活動・省エネ対策・地域への配慮について、3つの側面から詳しく見ていきましょう!


1. リサイクル資材の活用

 

資材の“使い捨て”をなくす努力は、鳶職の現場でも広がっています。

● 足場材の再利用とメンテナンス

足場組立で使用される単管パイプや布板は、鉄やアルミなどの高耐久素材。一度使った後も、適切な保管・点検・清掃を行うことで、何十回も繰り返し使うことが可能です。

  • サビ防止の塗装補修

  • 落下防止部品の再点検

  • 接合部の油差しなどのメンテナンス

これにより、新規資材の製造量や廃棄物量を減らし、CO₂削減に貢献しています。

● 鉄骨のリサイクルサイクル

解体現場で取り外されたH鋼や鉄骨部材は、スクラップ業者を通じて再資源化されます。溶解・再成形を経て、新たな建設現場や橋梁部材として再利用されることで、都市のリサイクル循環が生まれているのです。


2. 省エネ機材の導入と現場のクリーン化

 

● 燃費効率の良い重機・作業車

近年導入が進んでいるのが、低燃費・低騒音型のクレーンや高所作業車です。最新機種では、アイドリングストップ機能やエンジン負荷の自動調整機能が搭載されており、CO₂や排ガスの排出を最小限に抑える設計になっています。

● 電動式工具と蓄電池の活用

ドリルやグラインダーといった鳶職の必需工具も、電動式やバッテリー式に切り替える動きが進行中。騒音・振動の軽減だけでなく、作業員の体への負担も軽くなるというメリットもあります。

  • 夜間作業での近隣への配慮

  • 排気ガスの出ない作業空間の確保(病院・学校など)

こうした機材の進化は、より快適でクリーンな現場環境の実現に貢献しています。


3. 美化活動と地域との共生

 

● 工事後の“環境整備”が信頼に

鳶職は、足場や仮設構造の撤去後に現場を清掃・整備して引き渡す「現場の後片づけ力」も問われます。

  • 木片・ビス・ビニール類の分別と処理

  • 仮囲いの撤去後、現場周囲の歩道の清掃

  • 植栽や公共施設との調和を図る

現場をきれいに終えることが、職人の礼儀」という美意識が、今も息づいています。

● 地域住民への配慮も“鳶の誇り”

施工中は、朝の挨拶や掲示板での作業スケジュールの案内、音・粉塵対策も徹底。「迷惑ではなく、信頼される現場」を目指す姿勢が評価され、地域との関係構築にもつながっています。


🌱エコな鳶職は、未来の建設を支える存在へ

 

再生可能エネルギーとの連携(現場の太陽光発電利用)、AIを活用した資材の最適管理など、鳶職の現場は持続可能な方向へと着実に進化しています。

「ただ足場を組むだけじゃない」
それが、今の鳶職の本当の姿です。


以上、第5回鳶職雑学講座でした!
次回はいよいよ鳶職の未来像に迫ります。

次回もお楽しみに!

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一颯のよもやま話~第4回~

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一颯合同会社、更新担当の中西です。

本日は第4回鳶職雑学講座!
今回のテーマは「鳶職の一日の流れ」についてです。

鳶職の仕事は体力勝負というイメージがあるかもしれませんが、実は非常にリズムの整った一日を過ごしています。
今回は、ある鳶職人の一日をわかりやすくご紹介します!


鳶職の一日の流れ(例)

※現場や仕事内容によって多少の違いはあります。


6:30~7:00|現場集合・朝礼

・現場に集合して朝礼を実施

・その日の作業内容や安全確認を共有

・準備体操をして作業に備えます


 7:30~10:00|午前の作業

・足場の組立・鉄骨建方・仮設設備など

・朝のうちに集中して作業を進めます


 10:00~10:30|休憩

・水分補給や軽食タイム

・仲間との情報共有や一息つく時間です


10:30~12:00|作業再開

・細かい作業や調整作業が続きます

・安全確認をしながら丁寧に作業


12:00~13:00|昼休憩

・昼食&体をしっかり休める時間

・仮眠を取る職人も多いです


 13:00~15:00|午後の作業

・午後も引き続き現場作業

・疲れが出やすい時間帯なので、声かけをしながら進行


15:00~15:30|休憩

・2回目の休憩でリフレッシュ

・特に夏場は熱中症対策を意識


 15:30~17:00|仕上げ・片付け

・作業を終えて片付け・清掃

・翌日の準備も行い、安全な現場環境を維持

 17:00~|作業終了・解散

・その日の作業が終了し解散

・まっすぐ帰宅、または会社に戻る場合もあります


鳶職の魅力的なワークスタイル

・早朝から始まり夕方には終了

・規則正しい生活リズムが身につく

・体を動かし、仲間と協力しながら働くスタイルが魅力


まとめ

鳶職の一日は体力を使いますが、達成感のある充実した仕事です。
チームで協力しながら作業を進めることで、「今日もいい仕事ができた!」という実感を得ることができます。


以上、第4回鳶職雑学講座でした!
次回の第5回もお楽しみに!

一颯合同会社では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
私たちが採用で最も大切にしているのは「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。
皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

一颯のよもやま話~第3回~

皆さんこんにちは!

一颯合同会社、更新担当の中西です。


本日は第3回鳶職雑学講座!


今回は、鳶職に必要なスキルと資格についてご紹介します。

「鳶職って体力勝負でしょ?」と思っている方も多いかもしれませんが、実は技術や知識、安全に関する理解など、多くのスキルが必要なんです。

鳶職として長く活躍するためには、知っておきたいポイントがたくさんあります。


・鳶職に必要なスキル

鳶職の現場では、体力だけでなく、以下のようなさまざまなスキルが求められます。

  1. 高所でのバランス感覚

鳶職の多くの作業は高所で行われます。

そのため、バランス感覚は非常に重要です。

足元が不安定な場所でも落ち着いて動ける力が求められます。

  1. 正確な判断力と集中力

一瞬の判断ミスが大きな事故につながることもあるため、常に周囲の状況を把握し、冷静に判断できる集中力が必要です。

作業が進むにつれて状況が変化する現場では、柔軟な対応力も欠かせません。

  1. チームワーク

鳶職は決して一人で完結する仕事ではありません。

足場の組立や鉄骨建方など、複数人で連携して行う作業が多いため、仲間とのコミュニケーションや信頼関係が大切です。

  1. 継続的な学びの姿勢

現場の技術や安全基準は年々進化しています。

そのため、常に新しい情報や技術を学び続ける姿勢が求められます。

資格の取得もその一環です。


・鳶職に役立つ資格

鳶職としてのスキルアップや安全確保のために、以下のような資格を取得しておくと現場で非常に役立ちます。

  1. 足場の組立等作業主任者

足場を組む作業のリーダー的存在になれる資格です。

現場での信頼も厚くなり、責任あるポジションを任されることも。

  1. 玉掛け技能講習

クレーンで資材を吊る際に必要な資格です。

鉄骨建方などの作業では必須となる場合もあり、活躍の幅が広がります。

  1. 高所作業車運転技能講習

高所作業車を操作するための資格で、現場作業の効率を高めるために役立ちます。

  1. 職長・安全衛生責任者教育

安全管理の知識を身につけ、リーダーとして現場をまとめる力を養うことができます。


・資格を取るメリット

・スキルの証明になる
・昇給や昇格のチャンスが広がる
・現場での信頼感がアップする
・万が一のときにも安全に対応できる

資格を取っている人が優れているというわけではありませんが、「学ぼう」という姿勢が評価される業界でもあります。


・まとめ

鳶職は体を動かす仕事であると同時に、「技術」と「知識」が活きる専門職です。

資格の取得やスキルアップを通じて、より安全で信頼される鳶職人を目指しましょう!

以上、第3回鳶職雑学講座でした!

次回の第4回もお楽しみに!

一颯合同会社では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております。