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日別アーカイブ: 2025年6月18日

一颯のよもやま話~第7回~

皆さんこんにちは!

 

一颯合同会社、更新担当の中西です。

 

 

 

鳶職の歴史をたどる〜空を翔ける誇りと伝統の軌跡〜

 

 

 

今回は建設現場の花形ともいわれる「鳶職(とびしょく)」の歴史について、時代を追いながら詳しくご紹介します。

日本の建築史と共に歩んできた鳶職。その長い歴史のなかには、職人たちの誇りと進化の物語が詰まっています。


■ 鳶職のルーツは江戸時代にあり!

 

鳶職という仕事が“職業”として確立されたのは、江戸時代中期ごろ。

江戸の大都市化に伴い、建物の建設・修復に多くの人手が必要となりました。火事が多かった時代、町火消しの一部として鳶職人が活躍し、「火事と喧嘩は江戸の華」といわれるほど、その存在感は抜群でした。

● 鳶=火消し? その理由とは?

当時、鳶職人は建築の高所作業だけでなく、町火消しとしての役割も果たしていました。理由は簡単、高所作業に慣れていたから。はしごや屋根の上を素早く動けるため、火事場では消火活動の先頭に立ったのです。

このため、法被(はっぴ)を着て纏(まとい)を持った鳶の姿は、江戸の象徴ともいえるほどでした。


■ 明治・大正・昭和:近代建築と共に進化

 

明治時代以降、レンガ造や鉄骨構造など、西洋建築の影響が強くなり、鳶職の仕事も変化していきます。

● 高層化とともに求められた新技術

鉄骨を組む「鉄骨鳶」、型枠を組む「型枠鳶」、足場を組む「足場鳶」など、細分化された専門職種が生まれたのもこの頃です。

現代では「とび工」「鳶工」と表記され、建設業の中でも「高所での組立・解体」を専門とする職人として定義されています。


■ 戦後復興期〜高度成長期:建設ラッシュと鳶の黄金時代

 

戦後の焼け野原からの復興期、そして東京オリンピックや大阪万博にかけての高度経済成長期には、鳶職人の需要が爆発的に増加しました。

この時期、多くの若者が“腕一本で食べていける”職業として鳶職に憧れ、職人の数も一気に増加。鳶の世界には「口ではなく、背中で語る」文化が根付き、「一人前になるには10年かかる」とも言われました。


■ 現代の鳶職:技術と安全の融合へ

 

現在では、鳶職の仕事は「高所での施工を行う専門職」として、非常に厳格な安全基準と教育が求められます。

  • 高所作業車の操作資格

  • フルハーネス型安全帯の使用義務

  • 安全衛生教育の徹底

 

昔ながらの「度胸と経験」だけでなく、「知識とチームワーク」「ルールを守る力」が重視される時代へとシフトしています。


■ 鳶の文化と誇り

 

今も昔も、鳶職人の間には独自の文化や伝統が息づいています。

  • 独特の作業着(ニッカポッカや地下足袋)

  • 木遣り(きやり)や纏(まとい)といった伝統行事

  • 「鳶口」「腰道具」といった道具へのこだわり

 

これらは単なる仕事道具ではなく、「誇り」「伝承」「信念」を象徴する存在。現代においても、職人の魂は途切れることなく、確かに受け継がれているのです。


■ おわりに:空に一番近い職人たち

 

高所に命を預けながら、人々の暮らしを支える鳶職人。その姿は、今も変わらず「現場の華」であり続けています。

この歴史の重みと誇りを胸に、次世代の鳶職人たちが新しい空を切り拓いていく——それが、この仕事の真の魅力なのかもしれません。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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